【もし安部内閣誕生すれば③】GDP成長は公共投資でなく産業構造転換で!

新聞報道によれば15日,都内講演会で安部総裁は経済成長策として「公共投資を行い、その中で名目GDPを成長させる。そして税収を増やし財政再建に向かっていきたい」との発言があったという。
発言の場にいたわけではないので,その趣旨やニュアンスが解らないが常識的に考えると「急速な高齢化と人口減少が見込まれるなか、従来の様に道路や公共施設を大幅に拡大する必要があるのだろうか、また産業空洞化が進む日本の現状を考えると投資に見合う需要があるのか」疑問である。
IMF試算では日本はGDP比約2.5倍の公的債務を抱える。消費税率10%でも20年度に国・地方の基礎的財政収支の黒字化という政府目標は達成出来ない見通し。G20声明では日本に「中期的な財政健全化のさらなる進展が必要」と指摘した。公共投資を核とした政策が、はたして日本の財政健全化にどの程度寄与するのだろうか。

これまでの日本で、増えることが当たり前だった人口や国内総生産が減るのだから、人も社会も高度成長期と同じやり方でいられるわけはない。発想をかえ、仕組みを変えることがもとめられるのではないのか。出産可能性の高い25~39歳の女性人口が今後半世紀で総人口ベースで55%減少するという。また、「国立社会保障・人口問題研究所推計」によれば子供の数が今の半分以下に減るそうである。欧米からの技術移入と安価な労働力での大量生産という日本企業の事業モデルはもはや国際競争力を失っている。日本がやるべきは安価な労働力確保でなく自前の技術開発力を基盤とする先進国モデルへの転換である。名目GDPをあげるというが、現状は物価が原油価格上昇に共振して上がっても景気が悪くなるとすぐに物価は下がる状況だ。
2012年7~9月期の実質成長率は前年比3.5%のマイナス。11年1~3月以来の大幅なマイナスである。輸出や生産低迷が企業収益を圧迫し、それが設備投資抑制につながる。その結果、賃金が増えず雇用は伸びず、個人消費が低迷するからである。海外輸出頼みの経済構造ではデフレ脱却は難しい。金融緩和の効果を浸透させながら、成長力強化に寄与し、企業の期待成長率を高める政策で経済を成長させるべきだ。輸出産業に変って国内で雇用を生み出す産業作りが必要である。

たとえ原発再稼働ができたとしても電力業界の構造改革には時間がかかるから、電力価格高騰に伴う産業構造の変革を軸とした成長産業育成が必要だ。それは電力消費量の少ない知識集約型産業育成と温暖化ガス排出のための技術革新を促す政策である。成長戦略は規制緩和や法人税引き下げで行うべきで公共事業による建設業など特定業界への利益誘導策では成功しない。むしろ非効率な企業を守る様々な規制の除去が重要。必要なのは成熟した日本経済の成長に不可欠な創造的破壊による生産性上昇を手助けする経済改革だ。
経済成長回復のためには、改革が高い確率で経済的便益をもたらすような産業部門と規制改革に焦点を当てた改革のターゲットを選ぶことと労働力の産業間移動を促す政策だ。狙いはエネルギーの安定供給と新産業育成。たとえばエネルギーに関しては送電網の整備と蓄電池の開発など。規制改革は医療・介護・保育など潜在的に需要が見込める分野の規制緩和とTPPなど自由貿易の推進。

安部総裁がTPPの「聖域なき関税撤廃には反対」というのは農業団体の反発を考慮したためだろうか?TPPでは猶予期間を設けられる。その間に高品質米や有機農業など比較優位のあるものに特化して生産シフトすればよい。農業従事者という既得権者の利益でなく国民全体の利益を考えてもらいたい。
TPPへの早期参加は国際社会での日本の発言力強化につながる。貿易交渉はその国の市場規模が影響力を持つから世界第3の経済大国日本の発言は重みがあるはずだ。今後知識や技術を重視した海外進出を図る場合、地財権保護など高度な通商協定は必須である。それ以外にも円高や電力不足などの6重苦の中で従来のやり方を漫然と踏襲するだけでは国内製造業の急速な弱体化や空洞化を避けるのは難しい。政府は貿易自由化の出遅れなど国際競争上の不利を早急に改善すべきだ。日本に立地する企業の競争力をあげないと日本の産業基盤が弱体化する。

政策立案に際し重要なことは国の財政出動を可能な限り少なくして、行き場のない民間資金を活用する施策だ。ほっておけば企業と同じ様に日本の資金が海外に出ていく。

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